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2015.02.14 (Sat)

ズンビーありがとう

いきなり本題!
曲はこれ!

88 ヴィラ・イザベウ a.k.a キゾンバ!



----------------------------

Valeu Zumbi!
O grito forte dos Palmares
Que correu terras, céus e mares
Influenciando a abolição

ありがとうズンビー!
パウマーリスの力強い叫びは
地上を、空を、海を走り
奴隷解放を力づけた

Zumbi valeu!
Hoje a Vila é Kizomba
É batuque, canto e dança
Jongo e maracatu

ズンビーありがとう!
今、ヴィラはキゾンバであり、
楽器の音であり、
歌であり、踊りであり
ジョンゴでありマラカトゥである


Vem menininha pra dançar o caxambu
Vem menininha pra dançar o caxambu

少女よ、カシャンブーを踊ってくれ
少女よ、カシャンブーを踊ってくれ

Ôô, ôô, Nega Mina
Anastácia não se deixou escravizar
Ôô, ôô Clementina
O pagode é o partido popular

おお、ネガ・ミナ
アナスタシアは奴隷になることを拒んだ
おお、クレメンチーナ
パゴージに人々は集い党派となる

sacerdote ergue a taça
Convocando toda a massa
Neste evento que congraça
Gente de todas as raças
Numa mesma emoção

司祭が聖杯を掲げ
群集を呼び寄せる
この和解のセレモニーに
すべての人種が集い
気持ちを共有する


Esta Kizomba é nossa Constituição
Esta Kizomba é nossa Constituição

このキゾンバがわれわれの憲法
このキゾンバがわれわれの憲法

Que magia
Reza, ajeum e orixás
Tem a força da cultura
Tem a arte e a bravura
E um bom jogo de cintura
Faz valer seus ideais
E a beleza pura dos
seus rituais

なんという魔法、
祈り、アジェウンにオリシャ
文化の力も、芸術や勇敢さもある
充分に柔軟な心があれば
それぞれの考え方や
純粋な儀式の美しさの価値がわかる

Vem a Lua de Luanda
Para iluminar a rua
Nossa cede é nossa sede
e que o "apartheid" se destrua

ルアンダの月よ
来たりて道を照らしたまえ
われわれの集いは、我々の渇き
アパルトヘイトよ無くなれという渇き

Vem a Lua de Luanda
Para iluminar a rua
Nossa cede é nossa sede
e que o "apartheid" se destrua

ルアンダの月よ
来たりて道を照らしたまえ
われわれの集いは、我々の渇き
アパルトヘイトよ無くなれという渇き

----------------------------
訳注
マルチーニョ・ダ・ヴィラ作曲。
1988年は、ブラジルの奴隷解放から100周年でした。

ズンビー / Zumbi
Zumbi dos Palmares(ズンビー・ドス・パウマーリス)
ブラジルの黒人解放の歴史において、半ば神格化して語られる人物。

農園から逃げ出した奴隷たちが作った集落をQuilombo(キロンボ)と言いますが、そのキロンボの中でも最大のものにQuilombo dos Palmaresというものがありました。

そこの最後の指導者だった人物で、不死との噂すらありました。

しかし最期は仲間の裏切りにあい、不死の噂を断ち切るためその首は塩漬けにされて晒されたそうです。


キゾンバ / Kizomba
Wikipediaにはアンゴラ由来のダンスとその音楽とあります。
http://en.m.wikipedia.org/wiki/Kizomba

しかし、Vila IsabelのSinopse de Enredo(シノープシ・ヂ・エンヘード、歌、衣装、山車など、パレード全般の筋となる文章)を読むと、キゾンバは「人々の出会い」という意味のキンブンド語(アンゴラで話されている言葉の一つ)で、人々の間の結びつきを強めるために集まる宴であり、儀式であり、共通の問題に対して瞑想するものとあります。


Jongo / ジョンゴ

アフリカ起源のダンスと音楽。

ポルトガル語版wikipediaには「ジョンゴ、またはカシャンブーとしても知られる」( O jongo, também conhecido como caxambu) とあり、後述のカシャンブーとほとんど同じ物と考えられる。

リオのサンバ形成に大きな影響を与えたことから、「サンバの祖父(avô)」と言われる。

サンバの祖母については見つけられなかったけど、テヘイロのドナたちでしょうか。

マラカトゥ

こないだのサウジ・サウダージのカルナバルでバッキバがバキバキやってた音楽。アウファイアと言う太鼓と、その独特の撥使いからくるビートが特徴的。そのビートの上に金属製の大きなベルのうねりとひょうたん製のシェイカーの擦過音が乗っかる音楽です。

先日のバッキバのバキバキはこれ


マラカトゥについては、バッキバのワークショップに行くのが良いのではないでしょうか。
世田谷区で、今月28日だそうです。


カシャンブー
ジョンゴと同じ物。こんなリンクもあったので余裕あったら読みます。
http://www.pontaojongo.uff.br/historia-memoria-e-patrimonio

動画ありました。
Grupo Caxambu dança e percussão afro-brasileira (グルーポ・カシャンブー、アフロ・ブラジルの舞踏と打楽)
: http://youtu.be/yZ03LTgsrKQ

アナスタシア
生存していた証拠となるものが残っていないため、実在したのか、伝説なのか定かではない女性。
奴隷の母が白人に強姦されて産まれた、青い目を持つ黒人だったと言われています。
直前のフレーズ Nega mina/ネガ・ミナ は、「黒人の少女」という俗語なので、このアナスタシアのことを指していると考えられます。

http://poderosamentemulher.blogspot.jp/2008/04/anstacia-escrava-mito-ou-histria.html?m=1

暴力に屈せず、鉄の猿轡を着けられてなお誇りを失うことなく、それがゆえに責められ、病に倒れて死んだ後に亡骸はリオの教会に運ばれたそうですが、その教会が放火されて、彼女の存在の数少ない証拠もろとも焼け落ちたのだといわれています。

おお、クレメンチーナ
Clementina de Jesus(クレメンチーナ・ヂ。ジェズース)にささげる一節でしょう。
彼女は1901年産まれ。
8歳の時にオズワルド・クルスに引っ越してきて、結婚するまでは出来立てほやほやのポルテーラに、結婚してからは結成から10年を過ぎたころのマンゲイラに参加していたそうです。

63歳の時にRosa de Ouro(ホーザ・ヂ・オウロ、黄金の薔薇)に誘われて歌手となり、親しみをこめて"母さん"と呼ばれていたそうです。


ヴィラ・イザベウが88年2月のカーニバルに向けて準備をしているさなか、1987年7月に無くなりました。

http://en.m.wikipedia.org/wiki/Clementina_de_Jesus

パゴーヂに人々は集い、党派となる / O pagode é o partido popular

原詞にある、"partido (パルチード)というのは、分かたれたもの、派閥、党派、という意味の単語です。リズムとか、ビートとか、そういう意味はございません(!!)
サンバやパゴージに造詣の深い方なら、"Partido Alto (パルチードアウト)" という単語をご存知かとおもいます。
Partidoは”部分" Altoは"高い"

古いサンバにおける、繰り返しの部分に対して即興で歌われる部分もパルチードアウトといいますし、パゴーヂでパンデイロが打つ派手なリズムもパルチードアウトといいます。

ベーシックな部分に対しての「目立つほう」というような意味合いなのではないでしょうかね。

このパルチードアウトのことを、単に"Partido"といったりします。

この歌の中では、サンバ&パゴーヂの文脈でのパルチードと、政治的な党派としてのパルチード、二つの意味を重ねているように思います。


Jogo de Cintura
ジョーゴ・ヂ・シントゥーラ。
口語。様々な状況に対処できる能力。直訳すると腰遊び。

「サンバは腰」って言い方は週刊誌的であんまり好きじゃないんですが、(腰だけ振ってるんじゃねぇんだよ) 腰を中心に体をしなやかに運んだり、重心をはずしたり、跳ねさせたりと、腰で遊べるといろんな状況に柔軟に対応できるのは事実。


ルアンダ
アンゴラの首都。ルワンダ( Ruanda )ではない。ついさっきまで間違えてましたあぶねー。
現在、世界で一番物価が高い都市。どれぐらい高いかはtatzに聞いてもらえれば。
アンゴラは旧ポルトガル植民地で、ブラジルへ奴隷を供給する港として使われていた歴史があります。


アパルトヘイト
悪名高い南アフリカの人種隔離政策。
1994年のマンデラ大統領就任まで続いたので、1988年当時はまだ存在していました。
不勉強を恥じますが、94年まで続いていたことに驚いています。


Nossa cede é nossa sede / われわれの集いは、我々の渇き

白状します。

Sedeの意味はわかる(渇き、または、校舎や社屋)のですが、cedeの意味はわかりませんでした。

Ceder (編む)の活用形ではあるんですが、Nossa (われわれの) の後ろには、名詞しか来れないんですよ。
”編んだもの"としての籠はCesta(セスタ)だしなー。

google先生は「もしかして Sede」としか言わないし、"Nossa cede"という熟語かと思っても用例を見つけられないしで、三日間かけましたがダメでした。

この一説をそれっぽく訳してますが、

半 分 勘 で す



ぷっしゅー。




気を取り直して。

ヴィラ・イザベウ(Vila Isabel) については、これも先日のサウジ・サウダージに出演していた
Quer Swingar Vem Pra Cá(ケー スウィンガー ヴェン プラ カー) が毎週行っているエンサイオ(練習会)に行くといいと思います。


ブラジルもいよいよカーニバル開幕、僕の周囲にもブラジルへ旅行中の方々が多くいます。
みなさま、お気をつけて。でも。目いっぱい楽しんでください。
そして、もし余裕があったら、

"C e d e" の 意 味 を き い て 来 て く だ さ い・・・!









ぺこ。(お礼はします)
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