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2016.05.20 (Fri)

銀幕の瞳にポルテーラが行く

美しいメロディー、美しい歌詞、そして移り気な男。

昨年11月に来日したイヴァン・リンスの曲です。なんで昨年11月に書かなかったんだ俺。

僕の世代だと、アン・サリーが2001年に発表したバージョンで聴いた人のほうが多いかもしれません。

僕もアン・サリーで知りました。

厳密には、アン・サリー版をカバーした学生バンドの演奏で知りました。

アン・サリー版はこちら




イヴァン・リンスのオリジナルはこちら。
アン・サリー版から入った身としては、オリジナルはかなりポップです。サンバだけど。



昔ながらのサンバの曲調ながら、意外と新しい2000年発表の曲。

アルバム "A Cor do Pôr do Sol / ア コー
ド ポー ド ソウ" に収録されています。



では、本題!
--------------------------------
Eu vi a passarela
Refletida na luz dos olhos dela

パレードを見た
彼女の眼に映る煌めきのなかに

E na tela do olhar da minha amada
Emoldurada
Passava a Portela

僕の愛する人が見つめている
その銀幕のような瞳に
ポルテーラが過ぎていく

Cantei pra nós
Chorei por ela
Com Monarco e Paulinho da Viola

僕はふたりのために歌い
彼女のために泣いた
モナルコやパウリーニョ・ダ・ヴィオラに

Eu que sempre chorei por outra Escola
Amei a Portela por ela
Ali, naquela hora

別のエスコーラに涙していたこの僕が
彼女のせいでポルテーラを愛した
あの時、あの場所で

--------------------------------
訳注

a passarela
ア パッサレラ
パッサレラは、道とか、通りとかです。

aは定冠詞なので、"the 道"
サンバの文脈で"the 道"っていったらアレですよ。
カーニバルの時期にスペシャル・リーグのサンバチームが競い合うあの道ですよ。

あ、カーニバルのあれは道なんですよ。

マルケス・ダ・サプカイー通り(の一部)です。

歌の冒頭を直訳すれば "彼女の瞳に道が映った"なんですが、上述の通りカーニバルのパレードの道なので「パレードを見た」としました。


tela
テーラ

油絵のキャンバス、映画のスクリーン、テレビやパソコン、スマホのモニターなど、「これから絵が描かれる平面」の事です。

Emoldurada
エモウドゥラーダ

em = in
moldura = 額縁

の合わせ技、「額に収める」という動詞から来てる単語です。

いうなれば、縁取られた。

先のtelaとの組み合わせでキャンバス+額縁、そりゃ油絵だろうよ、と思うんですが、映画であって欲しいと思ったので "tela" を「銀幕」とし、タイトルにもなっているこの単語を落としました。

暴挙です。

誠実な訳は、阿部浩二さんのブログを見ていただくのがよろしいかと思います。


モナルコや、パウリーニョ・ダ・ヴィオラ

書き出すと長くなるので、このお二人については、ポルテーラの人であり、かつサンバの重鎮だということに留めておきます。

留め置かせてください。


訳注おわり。



さてさて、冒頭で移り気な男と言いました。

だってこの男、ひいきのエスコーラを簡単に鞍替えしちゃってるし、どうにも愛する彼女を飛び越えてポルテーラに心奪われてしまっている気がします。

さらに、 "ela / エッラ" という単語は、「彼女」という意味ですが、ポルテーラは女性名詞なのでこの「彼女」で指し示せてしまうんですよね。

「彼女(人)と彼女(ポルテーラ)、どっちが大事なの?」


以上、私とサンバどっちが大事か訊かれた事はあっても、私と仕事と、とは訊かれたことのないJTがお届けいたしました。








ぺこ。



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