2016.09.08 (Thu)
未来特急にぃにぃにぃにぃ
ジュベット・ジュウ!
Gileberto Gilの発音は、こんな風に聞こえます。
リオ・パラリンピックはじまりましたね。
競技につかわれる義足、義手、車いす、音の出るボールなどなど、競技のために開発される技術の数々。
できなかったことができるようになる、これぞ未来っすかね、と「あんなこといいな」の世代の一人は思うのです。
実際には「こんなことできんの!?」って、人体の可能性のほうに驚いてますけど。
さてさて、今回取り上げる曲はジルベルト・ジルの "Expresso 2222"
読みは "エスプレッソ ドイスドイスドイスドイス"
意味は "特急2222"
1972年、3年間のイギリスへの亡命から帰国したジルが発表した最初のアルバム、"Expresso 2222" のタイトルトラックで、2000年の向こうをテーマにした曲です。
ドラえもんは連載開始時(1969年)、21世紀から来たということになっていましたから、それぐらいの感覚でしょうか。
ロンドンに3年、帰ってきて作ったのが未来をテーマにしたバイアォン(土着的リズム)の曲。このあたりの感覚が、ブラジル音楽の魅力です。
(このブログで取り上げたバイアォンの曲としてはルイス・ゴンザーガのアザ・ブランカがあります)
アルバムは2007年にローリング・ストーン誌の選ぶブラジル音楽100選に選ばれました。
ジャケットはこちら。

音源は1994発売のアクースチコから。
では、本題!
------------------------------------
Começou a circular o Expresso 2222
Que parte direto de Bonsucesso pra depois
Começou a circular o Expresso 2222
Da Central do Brasil
Que parte direto de Bonsucesso
Pra depois do ano 2000
発車オーライ未来特急2222
大成功駅発車して、さらに向こうへ
ブラジル中央駅から発車オーライ2222
大成功駅からまっすぐ向こう
2000年の向こう側へ
Dizem que tem muita gente de agora
Se adiantando, partindo pra lá
Pra 2001 e 2 e tempo afora
Até onde essa estrada do tempo vai dar
Do tempo vai dar
Do tempo vai dar, menina, do tempo vai
こっちの人が言うことには
世の中いろいろ進歩して
2001年とか2年に向かってる
時間という道が続くところまで
続くところまで
ねえ時間はつづくよ、どこまでも
Segundo quem já andou no Expresso
Lá pelo ano 2000 fica a tal
Estação final do percurso-vida
Na terra-mãe concebida
De vento, de fogo, de água e sal
De água e sal, de água e sal
Ô, menina, de água e sal
特急に乗った誰だかが言うには
2000年ごろの人生電車の終着は
母なる土地駅
風の、火の、水と塩の
水と塩の、水と塩の
水と塩の母なる土地駅だと
Começou a circular o Expresso 2222
Que parte direto de Bonsucesso pra depois
Começou a circular o Expresso 2222
Da Central do Brasil
Que parte direto de Bonsucesso
Pra depois do ano 2000
発車オーライ未来特急2222
大成功駅発車して、まっすぐ向こうへ
ブラジル中央駅から発車オーライ2222
大成功駅からまっすぐ向こう
2000年の向こう側へ
Dizem que parece o bonde do morro
Do Corcovado daqui
Só que não se pega e entra e senta e anda
O trilho é feito um brilho que não tem fim
Oi, que não tem fim
Que não tem fim
Ô, menina, que não tem fim
特急は丘の路面電車に似てるんだとさ
コルコバードからこっち側あたりに
誰一人、乗りも、入りも、座りも動きもしないけど
線路は輝きどこまでもつづく
どこまでもつづく
ねえ線路は続くよどこまでも
Nunca se chega no Cristo concreto
De matéria ou qualquer coisa real
Depois de 2001 e 2 e tempo afora
O Cristo é como quem foi visto subindo ao céu
Subindo ao céu
Num véu de nuvem brilhante subindo ao céu
コンクリのキリスト像には誰もたどりつかない
現世にあるどんな素材の像にも
2001年か2年か、その後じゃ
キリストは空に昇る姿を見るんだ
空に昇る
光る雲に包まれて空に昇る
Começou a circular o Expresso 2222
Que parte direto de Bonsucesso pra depois
Começou a circular o Expresso 2222
Da Central do Brasil
Que parte direto de Bonsucesso
Pra depois do ano 2000
発車オーライ未来特急2222
大成功駅発車して、まっすぐ向こうへ
ブラジル中央駅から発車オーライ2222
大成功駅からまっすぐ向こう
2000年の向こう側へ
------------------------------------
訳注
未来特急2222 / Expresso 2222
冒頭で解説したとおり、Expresso 2222は特急2222という意味なので「未来」の要素は入ってないんですが、2222は未来の年号もさしていると考えて追加しました。語呂もいいし。
あと、「2222号」とするかどうかも迷いましたが、号はつけないことにしました。語呂もいいし。
ちなみに2222という数字ですが、ジルベルトが育った町からサルバドールへ行くときに乗った列車から取られているそうです。語呂もいいし。
ただ、どの路線だったのかネットだと調べきれませんでした。
サルバドールにも短距離の電車は走ってますが、なんか違うような気がする。
大成功駅 / Bonsucesso
リオの鉄道の駅に、ボンスセッソ駅というのがあります。
ボン / Bom = グッド
スセッソ / Sucesso = サクセス
からきた地名および駅名なんですが、なんでこの駅をチョイスしたのか、と考えるとやっぱり語呂、ではなく駅名の意味だったんじゃないかなと。
歌詞中にもでてくるブラジル中央駅 / Central do Brasil から出ている路線の一つ、サラクルーナ線の駅のひとつ。
路線図がこちらのWikipediaに載ってるので、みてみると面白いです。
地図と一緒になった路線図はこちら
「最初の駅だぜマンゲイラ」のマンゲイラ駅はデオドーロ線でブラジル中央から数えると、
プラッサ・ヂ・バンデイラ / Praça de Bandeira
↓
サン・クリストーヴァン / São Cristovão
↓
マラカナン / Maracanã
↓
マンゲイラ / Mangueira
と、4駅目になります。
駅ふえたのね。
訳注はこんなところかな。
ところで、サルバドールのカーニバルにカマロッチ2222 / Camarote 2222というスペースがあるんだそうです。
ジルベルト・ジルがカーニバルを家族で楽しむために作ったオープンテラス状のクラブハウスなんですが、なにが面白いって他のトリオ・エレトリコ (トラックを改造した移動式ライブステージ) がその前を通りがかることですね。
ダニエラ・メルクリのトリオ・エレトリコが通りがかった時の映像がこちら。
「別の日に君(ダニエラが)ここを通ったときはガンジー(ブロッコ・アフロのひとつ、フィーリョス・ヂ・ガンジー)やらなにやらで忙しくて見に来れなかったけど、今日は来れたよ」
とか、
ダニエラ「ヴァモス・フジーやります?キーはどれ?」
ジル「ヴァモス・フジーなら、ラの長調、だよな?ヴァモス・フジー♪そうそうラ、長調でくれ」
みたいなやりとりがあるので、偶発的なものみたい。しびれる。
ダニエラがジルに呼びかけるときに「大臣閣下」って言ってたのもちょっと面白い。(この映像は2005年のもので、この時ジルはブラジルの文化大臣でした。)
それで、今、オリンピックが終わってパラリンピックが始まったわけですが、1972年に曲を書いたときには、そんな未来も予想していたのかなぁ。
では、また。
ぺこ
Gileberto Gilの発音は、こんな風に聞こえます。
リオ・パラリンピックはじまりましたね。
競技につかわれる義足、義手、車いす、音の出るボールなどなど、競技のために開発される技術の数々。
できなかったことができるようになる、これぞ未来っすかね、と「あんなこといいな」の世代の一人は思うのです。
実際には「こんなことできんの!?」って、人体の可能性のほうに驚いてますけど。
さてさて、今回取り上げる曲はジルベルト・ジルの "Expresso 2222"
読みは "エスプレッソ ドイスドイスドイスドイス"
意味は "特急2222"
1972年、3年間のイギリスへの亡命から帰国したジルが発表した最初のアルバム、"Expresso 2222" のタイトルトラックで、2000年の向こうをテーマにした曲です。
ドラえもんは連載開始時(1969年)、21世紀から来たということになっていましたから、それぐらいの感覚でしょうか。
ロンドンに3年、帰ってきて作ったのが未来をテーマにしたバイアォン(土着的リズム)の曲。このあたりの感覚が、ブラジル音楽の魅力です。
(このブログで取り上げたバイアォンの曲としてはルイス・ゴンザーガのアザ・ブランカがあります)
アルバムは2007年にローリング・ストーン誌の選ぶブラジル音楽100選に選ばれました。
ジャケットはこちら。

音源は1994発売のアクースチコから。
では、本題!
------------------------------------
Começou a circular o Expresso 2222
Que parte direto de Bonsucesso pra depois
Começou a circular o Expresso 2222
Da Central do Brasil
Que parte direto de Bonsucesso
Pra depois do ano 2000
発車オーライ未来特急2222
大成功駅発車して、さらに向こうへ
ブラジル中央駅から発車オーライ2222
大成功駅からまっすぐ向こう
2000年の向こう側へ
Dizem que tem muita gente de agora
Se adiantando, partindo pra lá
Pra 2001 e 2 e tempo afora
Até onde essa estrada do tempo vai dar
Do tempo vai dar
Do tempo vai dar, menina, do tempo vai
こっちの人が言うことには
世の中いろいろ進歩して
2001年とか2年に向かってる
時間という道が続くところまで
続くところまで
ねえ時間はつづくよ、どこまでも
Segundo quem já andou no Expresso
Lá pelo ano 2000 fica a tal
Estação final do percurso-vida
Na terra-mãe concebida
De vento, de fogo, de água e sal
De água e sal, de água e sal
Ô, menina, de água e sal
特急に乗った誰だかが言うには
2000年ごろの人生電車の終着は
母なる土地駅
風の、火の、水と塩の
水と塩の、水と塩の
水と塩の母なる土地駅だと
Começou a circular o Expresso 2222
Que parte direto de Bonsucesso pra depois
Começou a circular o Expresso 2222
Da Central do Brasil
Que parte direto de Bonsucesso
Pra depois do ano 2000
発車オーライ未来特急2222
大成功駅発車して、まっすぐ向こうへ
ブラジル中央駅から発車オーライ2222
大成功駅からまっすぐ向こう
2000年の向こう側へ
Dizem que parece o bonde do morro
Do Corcovado daqui
Só que não se pega e entra e senta e anda
O trilho é feito um brilho que não tem fim
Oi, que não tem fim
Que não tem fim
Ô, menina, que não tem fim
特急は丘の路面電車に似てるんだとさ
コルコバードからこっち側あたりに
誰一人、乗りも、入りも、座りも動きもしないけど
線路は輝きどこまでもつづく
どこまでもつづく
ねえ線路は続くよどこまでも
Nunca se chega no Cristo concreto
De matéria ou qualquer coisa real
Depois de 2001 e 2 e tempo afora
O Cristo é como quem foi visto subindo ao céu
Subindo ao céu
Num véu de nuvem brilhante subindo ao céu
コンクリのキリスト像には誰もたどりつかない
現世にあるどんな素材の像にも
2001年か2年か、その後じゃ
キリストは空に昇る姿を見るんだ
空に昇る
光る雲に包まれて空に昇る
Começou a circular o Expresso 2222
Que parte direto de Bonsucesso pra depois
Começou a circular o Expresso 2222
Da Central do Brasil
Que parte direto de Bonsucesso
Pra depois do ano 2000
発車オーライ未来特急2222
大成功駅発車して、まっすぐ向こうへ
ブラジル中央駅から発車オーライ2222
大成功駅からまっすぐ向こう
2000年の向こう側へ
------------------------------------
訳注
未来特急2222 / Expresso 2222
冒頭で解説したとおり、Expresso 2222は特急2222という意味なので「未来」の要素は入ってないんですが、2222は未来の年号もさしていると考えて追加しました。語呂もいいし。
あと、「2222号」とするかどうかも迷いましたが、号はつけないことにしました。語呂もいいし。
ちなみに2222という数字ですが、ジルベルトが育った町からサルバドールへ行くときに乗った列車から取られているそうです。語呂もいいし。
ただ、どの路線だったのかネットだと調べきれませんでした。
サルバドールにも短距離の電車は走ってますが、なんか違うような気がする。
大成功駅 / Bonsucesso
リオの鉄道の駅に、ボンスセッソ駅というのがあります。
ボン / Bom = グッド
スセッソ / Sucesso = サクセス
からきた地名および駅名なんですが、なんでこの駅をチョイスしたのか、と考えるとやっぱり語呂、ではなく駅名の意味だったんじゃないかなと。
歌詞中にもでてくるブラジル中央駅 / Central do Brasil から出ている路線の一つ、サラクルーナ線の駅のひとつ。
路線図がこちらのWikipediaに載ってるので、みてみると面白いです。
地図と一緒になった路線図はこちら
「最初の駅だぜマンゲイラ」のマンゲイラ駅はデオドーロ線でブラジル中央から数えると、
プラッサ・ヂ・バンデイラ / Praça de Bandeira
↓
サン・クリストーヴァン / São Cristovão
↓
マラカナン / Maracanã
↓
マンゲイラ / Mangueira
と、4駅目になります。
駅ふえたのね。
訳注はこんなところかな。
ところで、サルバドールのカーニバルにカマロッチ2222 / Camarote 2222というスペースがあるんだそうです。
ジルベルト・ジルがカーニバルを家族で楽しむために作ったオープンテラス状のクラブハウスなんですが、なにが面白いって他のトリオ・エレトリコ (トラックを改造した移動式ライブステージ) がその前を通りがかることですね。
ダニエラ・メルクリのトリオ・エレトリコが通りがかった時の映像がこちら。
「別の日に君(ダニエラが)ここを通ったときはガンジー(ブロッコ・アフロのひとつ、フィーリョス・ヂ・ガンジー)やらなにやらで忙しくて見に来れなかったけど、今日は来れたよ」
とか、
ダニエラ「ヴァモス・フジーやります?キーはどれ?」
ジル「ヴァモス・フジーなら、ラの長調、だよな?ヴァモス・フジー♪そうそうラ、長調でくれ」
みたいなやりとりがあるので、偶発的なものみたい。しびれる。
ダニエラがジルに呼びかけるときに「大臣閣下」って言ってたのもちょっと面白い。(この映像は2005年のもので、この時ジルはブラジルの文化大臣でした。)
それで、今、オリンピックが終わってパラリンピックが始まったわけですが、1972年に曲を書いたときには、そんな未来も予想していたのかなぁ。
では、また。
ぺこ
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